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環境アセスメント学会 生態系研究部会第1回定例会速報

文責:田中 章
掲載日:2003年6月1日
転載の可否:無制限

環境アセスメント学会 生態系研究部会第1回定例会速報
(JSIA生態系研究部会第1回定例会、武工大ランドスケープ研究会第1回勉強会)


■テーマ:     「ヤマトシジミのHSIモデル構築と生息環境の評価」
■話題提供者:   市村 康 日本ミクニヤ株式会社東京支店環境部長
■コーディネータ: 田中 章 武蔵工業大学環境情報学部環境情報学科助教授
■日時:      平成15年5月30日(金)18:00~20:00
■場所:      武蔵工業大学環境情報学部3号館5階YCホール
■出席人数:    JSIA会員18名、非会員社会人17名、非会員学生18名、合計53名。

■概要
  (概要)
  発表は、島根県宍道湖・中海における漁業振興策として、浅場造成を行った場合の効果を評価することを最終目的として、有用水産生物(ヤマトシジミ)の生息環境について簡便なHSIモデルを構築し、その適用について検討するものであった。以下に、HSIモデルの検討の概要を示す。

  HSIモデルの構築にあたって、島根県水産試験場及び島根県内水面試験場が調査した1982、1997、1999年度の水質及び底質のデータのうち、底質(強熱減量、シルト・粘土)の2つの環境要因を用い、ヤマトシジミとの個体数との関係を解析した。環境要因をこれらの2つに限定した理由として、底質は短時間での変動が少ないこと、ヤマトシジミの個体数との相関が高いこと、漁業関係者にも評価できるような簡便なモデルを構築することが本検討の目的であったこと、などが挙げられた。
  SIモデル、HSIモデルは、1㎡あたりのヤマトシジミの個体数と環境要因(強熱減量、シルト・年度)との関係により、1982、1997、1999年度の各年度について検討された。この結果、1982、1997年度のモデルでは、個体数とHSIとに高い相関がみられた(R2=0.6程度)が、1999年度のモデルでは相関はみられなかった(R2=0.4程度)。また、1982年度のモデルにより、1982、1997、1999年度の各年度のデータを評価した結果、1982、1997年度の頻度分布の傾向は類似していた(HSI=0で頻度が最大)が、1999年度ではこれらの傾向とは異なっていた(HSI=1で頻度が最大)。
  以上から、今回構築されたHSIモデルはヤマトシジミの個体数と環境要因との関係をおおよそ表現できたと考えられる。GISを利用し、エリア毎の経年的HUを求め、環境の修復や創造の評価への適用を考えているが、今後さらなる検討が必要と考えられる。


(質疑応答)
主な質疑応答の内容を以下に示す。

質問 : HSIモデルのパラメータ(環境要因)を増やせば、精度が上がるのではないか。

回答 : 漁業関係者でも評価が可能な簡便なモデルを構築することが主目的であるため、パラメータは増やさなかった。パラメータ(他の環境要素、流れなど)を増やすほど、モデルの精度は上がるが、複雑なものなってくる。



質問 : ヤマトシジミの個体数と環境要素との相関行列を検討されているが、相関係数の高いものを選択する根拠は何か。

回答 : SIモデルの曲線を線形で作っているため。カテナリー曲線で検討しても同様。



質問 : HSIモデルの検討結果を漁業関係者に説明したのか。

回答 : HSIモデルの検討段階であり、漁業関係者には説明していない。



質問 : 1982、1997年のデータはランダムに調査されたものであり、1999年のデータは水深の浅い場所(沿岸)に限定して調査されたものであると思うが、この違いがモデルの傾向の違いになっているのではないか。



質問 : HSIとヤマトシジミの相関を検討しているが、HSIの中央付近での個体数のばらつきが大きいのではないか。



質問 : モデルの構築にあたって、ヤマトシジミの生態を考慮したのか。

回答 : ヤマトシジミの生態については詳しくは調べていない。地元の研究者(中村幹夫氏)がとりまとめた生息範囲(生息限界、好適な範囲)の情報をもとに検討した。



文責 : 日本エヌ・ユー・エス㈱ 中村純也