2004年度環境アセスメント学会沖縄大会
プログラム
(2004.9.11現在)
(1)大会スケジュール
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午前の部 |
午後の部 |
第一日目
10月16日(土) |
9:00 大会受付開始
10:00~10:15 開会挨拶
10:15~12:20 研究報告 |
13:30~17:00 現地企画シンポジウムⅠ
「沖縄の開発と環境アセスメント」
コーディネーター:桜井国俊(沖縄大学学長)
17:30~19:00 懇親会(Green Cafe)会費3,000円 |
第二日目
10月17日(日) |
10:00~12:05 研究報告 |
13:30~17:30 学会主催シンポジウムⅡ
「撤去」と「再生」のための環境アセスメント
コーディネーター:石川公敏 (環境アセスメント学会副会長) |
第三日目
10月18日(月) |
9:00~18:00 エクスカーション:見学先は辺野古、泡瀬の予定 |
(2)一般研究報告プログラム詳細
大会一日目
10月16日(土) 第一会場( 3号館101教室)
セッション「自然環境Ⅰ」、座長:矢持進(大阪市立大学)
1 |
10:15-10:40 |
「DEMとGISを用いた環境特性の把握」
○工藤晃央((株)ドーコン)、中森 達((有)北海道生物地理)、吉村暢彦(NPO法人エンビジョン環境保全事務所)、石澤 寛(国土交通省北海道開発局)、旭 峰雄(国土交通省北海道開発局)、片岡朋子(国土交通省北海道開発局)、三沢勝也((株)ドーコン) |
2 |
10:40-11:05 |
「水域でのモデルによる環境影響予測手法の現状と今後」
○寺澤知彦((株)中電シーティーアイ)、中村義治(水産総合センター)、中村幹雄(日本シジミ研究所)、青木伸一(豊橋科学技術大学) |
3 |
11:05-11:30 |
「個体群存続可能性分析による生態系の定量評価」
○夏原由博(大阪府立大学) |
4 |
11:30-11:55 |
「HEPによるカスミサンショウウオを用いた生態系価値の定量化に関する研究
~三木総合防災公園を事例として~」
○北村洋二(国土交通省総合政策局) |
10月16日(土)第二会場( 3号館102教室)
セッション「環境影響評価」、座長:沖山文敏((株)オオバ)
1 |
10:15-10:40 |
「環境影響評価法施行後における公衆参加の実態」
○平賀俊彦(東京工業大学大学院 院生) |
2 |
10:40-11:05 |
「環境アセスメントの事後調査結果の評価手法について
~中城湾港泡瀬地区公有水面埋立事業における事例~」
○赤倉康寛、酒井洋一、冨田幸晴、石原正豊(沖縄総合事務局)、溝口忠弘((財)港湾空間高度化環境研究センター)、松下訓、細谷誠一((株)国土環境) |
3 |
11:05-11:30 |
「環境影響評価制度における公聴会の実施内容に関する分析」
村山武彦(早稲田大学)、○堀川顕一(東京大学大学院院生) |
4 |
11:30-11:55 |
「わが国の高レベル放射性廃棄物地層処分事業における環境アセスメント」
○高橋美昭、北山一美、竹内光男(原子力発電環境整備機構)、小田信治、小松裕幸(清水建設(株)) |
5 |
11:55-12:20 |
「環境アセスメントにおける複数案検討に関する一考察」
○持木克之(埼玉県) |
大会二日目
10月17日(日) 第一会場( 3号館101教室)
セッション「自然環境Ⅱ」、座長:中村義治((独)水産総合研究センター)
1 |
10:00-10:25 |
「HSIモデルの傾向と今後の課題」
○久喜伸晃(武蔵工業大学大学院 院生)、吉沢麻衣子(アオイ環境株式会社)、田中章(武蔵工業大学) |
2 |
10:25:10:50 |
「カジカ大卵型のハビタット適性指数(HSI)モデル構築の取組み」
○佐藤光昭(日本エヌ・ユー・エス㈱)、奥田耕司(富士通エフ・アイ・ピー㈱)、矢代幸太郎(㈱東京久栄) |
3 |
10:50-11:15 |
「浅海域に適用する魚類ハビタット適性指数(HSI)モデル構築の取組み」
○矢代幸太郎((株)東京久栄)、奥田耕司(富士通エフ・アイ・ピー(株))、佐藤光昭(日本エヌ・ユー・エス(株)) |
4 |
11:15-11:40 |
「トウキョウサンショウウオのハビタット適性指数(HSI)モデル構築の取り組み―実測値を用いた妥当性検証と仮想事業への適用について―」
○上杉章雄(飛鳥建設(株))、雨嶋克憲(パシフィックコンサルタンツ(株))、岡田圭司((株)環境指標生物)、栗原彰子((株)プレック研究所)、小松裕幸(清水建設(株))、松岡明彦((株)環境管理センター)、諸藤聡子((株)協和コンサルタンツ)、伴 武彦((株)ポリテック・エイディディ)、田中章(武蔵工業大学) |
5 |
11:40-12:05 |
「国内動植物8種におけるHSIモデル検討の試み」
○伴 武彦((株)ポリテック・エイディディ) |
10月17日(日) 第二会場( 3号館102教室)
セッション「社会環境評価」、座長:作本直行(アジア経済研究所)
1 |
10:00-10:25 |
「都市環境リスクにおける社会的損失」
○佐藤美恵子(明海大学大学院 院生) |
2 |
10:25:10:50 |
「諸外国における政策レベルに適用されるSEA制度と日本への適用可能」
○林希一郎((株)三菱総合研究所)、冨安健一郎(環境省) |
3 |
10:50-11:15 |
「ODAの環境影響評価プロセスと新ガイドラインの可能性」
○二宮浩輔(九州共立大学) |
4 |
11:15-11:40 |
「JICAの環境社会配慮ガイドライン改訂の意義」
○原科幸彦(東京工業大学大学院) |
5 |
11:40-12:05 |
「貿易自由化の環境影響評価手法のフレームワークの考え方」
○林希一郎((株)三菱総合研究所)、新田晃(環境省)、宮原紀壽((株)三菱総合研究所) |
(3)シンポジウム
シンポジウムⅠ:沖縄の開発と環境アセスメント
日時:2004年10月16日(土)13:30~17:00
場所:沖縄大学3号館101教室
1. 趣旨
沖縄では、基地容認の見返りとして公共投資による開発ラッシュが続き、環境アセスメントの有効性・適切性が問われる大型開発案件が見白押しです。 辺野古における普天間飛行場代替施設建設、泡瀬干潟の埋立、新石垣飛行場の建設などが代表例です。今回、環境アセスメント学会が沖縄で開催されるのを契機に、沖縄で実施されているアセスのアセスとは言えない実態を全国のアセス研究者に広く知って頂くと同時に、開発の暴走をいかにして食い止めるかについて、アセス研究者の知恵と経験を提供して頂こうと考え企画したのがこのシンポジウムです。
報告者
コーディネーター:桜井国俊(沖縄大学学長、学会沖縄大会委員長)
パネリスト:
①特にアセス書流通の問題について・・・島津康男(名古屋大学名誉教授、学会前会長)
②生態系のアセスメント:特に沖縄での特殊性について・・・浦郷昭子(アイ・シー・ネット(株)環境水産グループ)
③沖縄の環境をどうとらえるか・・・・・吉田正人((財)日本自然保護協会常務理事)
④日本初の「市民からの方法書」公表の背景と意義・・・宮城康博(名護市議会議員、市民アセスなご)
⑤新石垣空港での赤土流出のアセスメントを中心に・・・花輪伸一(WWFジャパン南西エコリージョン担当)
⑥沖縄県下の開発事業におけるアセスの評価・・・沖縄県アセス担当者(依頼中)
⑦沖縄における開発の状況・・・・・・桜井国俊
シンポジウムⅡ:「撤去」と「再生」の環境アセスメント
日時:2004年10月17日(日)13:30~17:30
場所:沖縄大学3号館101教室
1. 趣旨
1999年から全面施行された環境影響評価制度、いわゆる「環境アセスメント法」は「新しく何かを作ること」を目的とし、ある規模の事業についての法的な適用を考えて作られている。しかしながら、1960年代に始まった経済成長期から近年までの多くの公共事業において作られた「構造物」には、その当初の使用の目的や機能が果たせなくなくなったとして、「撤去」や「見直し」のための事業が行われて始めている。あるいは、これまでの事業によってもたらされた生態系の機能に「劣化・破壊」を元に戻すあるいは近づけるなどとして自然再生を目的とした「再生」、「創造」事業も始まっている。これらの事業に対してはその規模や事業の種類によっては「環境アセスメント法」の適用となっていない場合が多い。また、そのためにその事業の計画や内容が「充分に環境への配慮」がされているかどうか、「持続可能な環境や社会」を目指しているかどうかの評価も行われていない場合が多い。その理由の一つには、行政、国民共に1960年代からの高度経済成長とともに30年余り歩んできた「開発」と「環境アセスメント」と言う言葉が、これまでのように新しく「開発」事業に限り適用すればよいものだという「環境アセスメント」に対する「古い観念」がまだ残っているように思われる。
ご存知のように「持続可能な環境や社会」の語句は、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)において採択されたリオ宣言、アジェンダ21、我が国の環境基本法の中心的概念となっている。このために、学会としては「持続可能な社会・環境」を目標にして、「環境アセスメント」を幅広く社会システムに組み入れることによって「事業」による自然や社会に影響・負担を少なくすること、そのためにいろいろな「事業」に「環境アセスメント」の適応・導入、制度の普及をすすめる努力が必要である。そのことは製品やサービスに係わって原料調達から製造、流通、使用、廃棄、リサイクルに至るライフサイクル全体を対象として、それぞれの段階で資源、エネルギーを定量的に把握し、その意思決定の手法に用いられているLCA(Life Cycle Assessment)が普及されてきていると同じように、環境影響、資源、エネルギーの面から、これからの持続可能なシステムのツールとして「環境アセスメント法」を機能させるため、多くの事例との関連や課題を討議する時期に来ている。このことは、事業の早期の計画段階から環境への負荷を少なくする社会のツールとして有効である「戦略的環境アセスメント(SEA)」を勧めることにもつながる。さらにそのことによって、あらゆる「事業」が環境そのものを制御すること、環境に影響を及ぼす人間活動を制御することを含むいわゆる「環境管理(Environmental Management)」のシステムの一環として「事業」を観ることにつながる。
そこで今回は環境アセスメントがどのようにダム、ビルなどの「撤去」事例に用いられているか、自然環境の「自然再生」の企画にどのように計画的な段階から環境への配慮がなされているかなどを見つめ、「環境アセスメント」の現状を課題を把握する。
2. 報告者
趣旨説明・・・浅野直人(学会会長)13:30~13:40
基調報告:「再生」の環境アセスメント・・・田中章(武蔵工業大学)13:40~14:20
話題提供・適応事例
①ダムの現状と撤去の課題・・・ジャーナリストの立場から 保屋野初子 14:20~14:55
②ビルの解体と地域開発と環境アセスメント・・・稲田達夫(三菱地所設計)14:55~15:30
③ゴミ処分場の再生と環境アセスメント・・・大迫政浩(国立環境研究所) 15:30~16:05
休憩(16:05~16:15)
パネル討論 16:15~17:30 司会:石川公敏(学会副会長)
パネリスト:稲田達夫、大迫政弘、塩田正純(飛島建設)、島津康男、田中章、保屋野初子
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